Revu には 2 つのファイル間のリンクに関する情報の格納が必要な場合があります。たとえば、ハイパーリンクが別の PDF を開くよう設定されているとき、Revu はその PDF のある場所を認識する必要があります。同様に、Revu の [プロファイル] には「依存関係」([ツールセット]、[ハッチパターン]、[線のスタイルセット]、および [ブックマーク構造™]) と呼ばれる側面があり、ファイルが個別に存在していても共有できるようになっています。そのため、ある特定のプロファイルでファイルにアクセスするには、Revu はこれら依存関係にあるファイルの場所を認識する必要があります。
この目的のために、Revu にはファイルの場所を格納する方法が 2 つあります。フォルダへの完全なパスによるものと (フルパス)、アクセスする場所との相対的な位置関係によるもの (相対パス) です。多くの場合、いずれかを選択すればほとんどの状況で機能します。ファイルを移動する際、一方だけか両方のファイルかを区別することが重要です。
この議論を進めるために、第 2 ファイル (Baker file.pdf) を開くよう設定されたハイパーリンクを含む PDF (Able file.pdf) のケースを考えます。この場合、原理はプロファイルの依存関係に適用されるものと同じです。つまり、Able file.pdf はプロファイルの役割を果たし、Baker file.pdf が依存関係ファイルの役割を果たしています。
相対パス vs フルパスについて最初に理解すべきことは、Revu ではファイルの場所を保存する方法が異なるということです。ほとんどのユーザは既にフルパスに慣れていますが、これはファイルへのフルフォルダパスを保存します。たとえば、下に示すハイパーリンクの設定では、[相対パスを使用する] をオフにし、リンク先ファイル (Baker file.pdf) へのフルパスが使用されています。
フルフォルダパスが保存されます (C:\Projects\Baker Project\Baker file.pdf)。フルパスが保存されていると、Able file.pdf がどこにあっても問題ありません。同一コンピュータ上のどこかにあれば、Baker file.pdf を見つけられます (この例では、正しい C:\ ドライブ内で探すために、同一コンピュータ上にファイルが存在する必要があります)。
一方、以下に示すように [相対パスを使用する] をオンにして、Able file.pdf との相対位置に基づいて Baker file.pdf の場所を保存することも可能です。
このケースでは、Revu は Baker file.pdf の存在するドライブを認識する必要はなく、Able file.pdf の現在の場所から開始して 1 つ上の階層のフォルダに上り [Baker Project] というフォルダを探します。
上記の相対パスの例では、フォルダ構成は下記のとおりです。
Able Project と Baker Project は同一フォルダ (Projects) 内にあるので、Able file.pdf から Baker file.pdf への相対パスは、ただ共通フォルダ (Projects) に上って Baker Project フォルダに進み Baker file.pdf を見つけるだけです。
相対パスの利点は、Able Project と Baker Project のあるフォルダがどれでもかまわないということです。そうした情報は保存されず Revu は関知しません。大切なのは両ファイルが同一フォルダにあることです。そのため、Able Project フォルダと Baker Project フォルダをコピーして別のコンピュータに移しても、同一フォルダ内に移動する限り、Able file.pdf を開くと Baker file.pdf へのハイパーリンクは変わらず機能します。これによりプロジェクトは移植しやすくなり、まとめて移動する限りその相対位置は維持されます (この例では、それが Projects フォルダのコピーにより実施され、全サブフォルダは新しい場所に移動しています)。
相対パスの不利点は、ハイパーリンクのあるファイル (Able file.pdf) とリンク先のファイル (Baker file.pdf) を一緒に移動しなければならないことです。どちらか一方だけを移動するとリンクは切れます。
当然のことですが、相対パスの主要不利点はフルパスの主要利点であり、その逆も言えます。フルパスを使用すると、Baker file.pdf を移動せずに Able file.pdf をどこにでも移動できます。ただし、Baker file.pdf に Able file.pdf の新しい場所からアクセスできることが条件になります。しかしそこにはフルパスの不利点もあります。
Able file.pdf と Baker file.pdf が C:\ ドライブの同じフォルダに保存されている前述の例を考えてみましょう。このケースで Baker file.pdf の場所をフルパスで保存したとすると、Able file.pdf を同一コンピュータ上のどこにでも (別のフォルダでも別のドライブでも) 移動でき、ハイパーリンクは有効なままです。パス C:\Projects\Baker Project が有効だからです。ただし Able file.pdf を別のコンピュータに移動するとリンクは切れてしまいます。別の C:\ ドライブで Baker file.pdf を探そうとするからです。
しかし Baker file.pdf が C:\ ドライブではなくネットワークドライブに保存されていたらどうでしょう?その場合フルパスは便利です。Able file.pdf をどこに移動してもネットワークに接続されたコンピュータ上にある限り Baker file.pdf へのリンクは引き続き有効だからです。